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住職継職奉告法要 2017年10月1日
住職継職奉告法要実行委員の皆さん

俳句入門講座

住職の俳句

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春の雪

2019-02-19
一切の過ぎ去ってゆく初湯かな
 
風花の次々消えて地平線
 
立春の心の温度ありにけり
 
近づけば波音高く月冴ゆる
 
玉座とは叫びを宿し春時雨
 
雲割れて飛機あらはるる野焼かな
 
春一番子の挨拶は英語なる
 
ふと見詰め合ふ街灯や春の雪
 
薄氷の解け水色のこころ置く

マフ

2019-01-15
一線を心にすつと初諷経
 
初旅の古都へと伸びる車窓かな
 
そつとマフ差し出すことも大法会

ご縁

2018-12-31
晴れ渡ることも一興大晦日
 
年用意果てれば大いなる呼吸
 
行年の思へばご縁ばかりなる
 
大年の勢揃ひなる忌日かな
 
泣ひてよし笑ふのもよし去年今年

バックミラー

2018-12-30
その文を飾ることより年用意
 
愚痴りあう夫婦も笑顔年忘
 
とつておきなるコートあり青き空
 
掌を小さくたたみ懐手
 
極月やバックミラーに残る君

一瞬

2018-12-13
冬重ねゆく音として心電図
 
はるかなる大海原の時雨かな
 
人まるく小さくなりて枯木立
 
枝先を空へと残し落葉かな
 
冬海やいのちの大いなる起伏
 
ただ火花見たくて炭をつぐことも
 
喪の人へ言葉を探しゐる枯野
 
寒燈を弾く小さきバイオリン
 
短日や一年といふ一呼吸
 
一瞬の鳰に暮れゆく山河かな

住職原稿(日本伝統俳句協会機関紙「花鳥諷詠 一頁の鑑賞」)

花筒に水満つる音墓参     県 越二郎

花筒に水満つる音墓参    県 越二郎

(昭和十二年『ホトトギス雑詠選集』秋の部より)

 

私は寺の息子として三十八年前生を受けた。

 

自坊の敷地内に五十基程の墓石が並ぶ墓地があり、彼岸、盆の時期には参詣が絶えない。

墓参の作法として花の水替えというものがある。

古くなった花を取り除き、花筒に水を注ぐ。

日の光を帯び、注がれてゆく水は墓地という地の利もあるのか、より透明で清潔に見える。

 

「トクトクトク」という音がだんだん細くなり、高くなってゆく。

やがて花筒に水が満ちるのだが、そこに音は無い。ただ、花筒の頂を満たす水面がゆらめき、ヒソヒソと囁いているように見える。

 

揚句の作者はそんな水の囁きを聞いておられるのではないかと思う。

 

墓参とはそれなりに緊張感を伴うもので、静寂を伴うものである。

墓石に対峙する作者は、先立って行かれた有縁の方の声なき声を、花筒を満たす水の光に聞いておられるのではないだろうか。

 

浄土には八つの功徳を有す水が満ちているという。残された作者の命を満たす音なのかもしれない。

kenshi

蜩のなき代わりしははるかかな   草田男

蜩のなき代りしははるかかな    草田男
(昭和四年『ホトトギス雑詠選集』秋の部より)
 
幼い頃、夏休みになれば友達と森深く分け入り、虫取りに励んでいた。
背丈を優に超える虫取り網と共に、木々の隙間を駆け回り、気づけば夕刻。
「さあ帰ろう」と森を抜けてゆく背に何時もあったのが、蜩の声であった。
不思議とその蜩を捕まえようと戻る者は誰もいなかった。
 
大人になり、蝉の声に方向があることを感じる。
朝方に鳴く蝉の声は、土砂降りの雨のように空から降って来る。
一方、夕刻の蜩の声は、逆に空へと上り、抜けてゆく。
 
掲句は草田男初期の句である。
草田男はどこか潔癖で神秘的な蜩の声の律動が、空へと上ってゆく様を「はるかかな」と詠んだ。
青年期より度々精神を病んだ草田男にとって、蜩に導かれたその空はたまらなく広く、自分が解き放たれる救いの場所であったのではないか。切れ字の「かな」が景をどこまでも広げている。
 
子供の頃、誰も蜩を捕まえようとしなかった理由が今、少し分るような気がする。
kenshi
 

俳句入門講座17

俳句入門講座17

俳句入門講座15

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俳句入門講座14

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俳句入門講座13

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俳句入門講座12

俳句入門講座12

俳句入門講座1~11

俳句入門講座1~11
俳句の基本について仏婦会報「まなざし」にて連載しています。

住職の掲載作品

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角川「俳句」2月号

2018-01-31
角川「俳句」2月号
特集「高野素十の写生」に寄稿させていただきました。
 
俳句は極楽の文学。
 
俳句を通し、宗教を感じていたい。
宗教を通し、俳句を感じていたい。
 
そんな思いで綴った文章。
kenshi
 

角川「俳句」7月号

2017-07-04
角川出版より冊子が届きました。
光栄なことに、全国の若手俳人の1人としてご依頼をいただいたもの。
 
「若手競泳&同時批評」
よかったら、ご覧下さい。
kenshi

角川『俳句』掲載作品 「精鋭十句競詠」 

「呼吸」     能美顕之
 
山茱萸の小さき呼吸始まりぬ
 
蘆の角風に高さを揃へたる
 
春の川へとふくらんでゆく日差し
 
芽柳に織り込まれゆく光かな
 
春の雪里の余白を埋めてゆく
 
淡雪を少し纏ふといふ風情
 
宇宙には国境の無く遠霞
 
一望の春田に大いなる息吹
 
遥かなる水平線の霞かな
 
仏法の深さに溺れ春炬燵
 
○略歴
昭和52年2月9日生 
『ホトトギス』所属
 俳歴6年 
 
○メッセージ
「声」
自然と対峙していますと、ふと自分の小ささを思います。そしてその小さな私が大自然の流れにほどけてゆくような、不思議な感覚にとらわれる事があります。「あなたはあなたのままでいい」と声が聞こえて来るような、一瞬。その一瞬は私の宝です。「人間も大自然の一部分」。自然の声に耳を澄まして参りたいと思います。

俳誌『俳壇』掲載作品

「一日」

 

青空の端に囀りのこぼれたる

 

大いなる卯浪に浮かぶ岬かな

 

一列の光整ふ植田かな

 

その中に孤高の色や花菖蒲

 

夏空へ赤子の声の立ち上がる

 

雨の来て重たき風の若葉かな

 

蛙の音大雨の夜を司る

 

 

○俳歴

 

能美顕之 

昭和五十二年二月九日生

二〇一〇年 日本伝統俳句協会入会

二〇一五年 ホトトギス同人

 「ホトトギス」所属

 
○コメント
 
自然と対峙していますと、ふと自分の小ささを思います。そしてその小さな私が大自然の流れにほどけてゆくような、不思議な感覚にとらわれる事があります。「人間も大自然の一部分」。自分の小ささを忘れず、謙虚に自然の声に耳を澄まして参りたいと思います。

 

 

朝日新聞(東日本版)掲載作品 「あるきだす言葉たち」

「風音」      能美顕之
     
上りゆく香に棚引く秋日かな
 
秋風の膨らむ路地や鞆の浦
 
曇天に存在感の紅葉かな
 
過る風留まる風や大紅葉
 
天も地も今渡りゆく鷹のもの
 
風音の去りて落葉の始まりぬ
 
落葉踏む音に生まるるリズムかな
 
太陽を乗せて散りゆく大銀杏
 
念仏の声風となる冬の堂
 
一斉に銀杏落葉の景となる
 
風が風呼んでゐるなり冬紅葉
 
大空と一つになりて日向ぼこ
 
 
能美顕之(のうみけんし)。1977年島根県生まれ。「ホトトギス」同人。
2015年日本伝統俳句協会新人賞。
 

住職の受賞作品

日本伝統俳句協会協会賞
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